印刷業界で使われる日本語用語を解説します。
【あ】 | |
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アートポスト | 一般のアート紙より厚手(つまり坪量の多い)のアート紙、絵葉書などに用いる |
アート紙 | 高級印刷用コート紙の一つ、鉱物性顔料と接着剤とから成る塗料を上質紙片面に20g/m2前後をコーテイングした強光沢の高級印刷紙片面アート紙と両面アート紙がある、美術印刷、カレンダー、ポスターなどに用いる |
アイボリー | 高級カードまたは高級名刺などに用いる象牙色の板紙で、コートしたものと、しないものがある |
アクリルゴム | アクリル酸エステルの重合、または、これを主成分とする共重合によって得られるゴム状弾性体の総称、耐熱性、耐油性にすぐれる |
アクリル系粘着剤 | エラストマー状のポリアクリル酸エステルを主成分とする粘着剤で、ゴム系の粘着剤に比べて耐候性、耐熱性にすぐれる、溶剤型とエマルジョン型があり、エマルジョン型が多く用いられている |
アクリル樹脂 | アクリル酸およびその誘導体を重合した熱可塑性樹脂の総称、一般にはポリメタクリル酸エステル(特にポリメタクリル酸メチル)をさす、透明度高く、有機ガラスなどに用いる |
アセテート | 酢酸セルロース、一般的には酢酸セルロース繊維をさすことが多い |
アセテートフイルム | 酢酸セルロースをアセトンで溶解し、可塑剤を加えて作ったフイルム、アセチル基の置換程度によってトリアセテートフイルムとジアセテートフイルムがある、トリアセテートフイルムは透明性、平面性、腰、耐熱性、耐久性にすぐれ、録音テープ、電気絶縁材料に用いる、ジアセテートは透明性、熱成形性にすぐれ、真空包装、スキン・プリンター包装、録音テープ、電気絶縁材料などに用いる |
アセテート粘着テープ | アセテート・フイルムを基材とした粘着テープ、メンデイングテープの名称で市販されているものなど |
アプリケーションテープ | トランスファーテープともいう、マーキングフイルムを美しく、能率よく貼るために用いる作業用テープ、マーキングフイルムの上にアプリケーションを貼り、そのまま被着体に貼ってからアプリケーションテープをはがして貼りを完成させる、和紙に樹脂を含浸させた基材に粘着剤を塗工したものが一般的である |
アラビア・ゴム | マメ科の植物からとった粘液状分泌物で、水溶液は粘着性があり、糊・乳化剤・医薬品などに用いる |
圧胴 | 印刷機において被印刷物(紙、板紙、フイルムなど)を版またはブランケットに押しつけ、インキを転移させるためのロール |
網点 | オフセット、凸版、グラビアなどの印刷物では画像(インキの乗っている部分)を表現するのに小さな点の集まりで行っている、この画像をつくる一つ一つの点を網点という |
アール | 1:半径 2:機械工作などで角に丸味をつけること、または角の丸味 アルミ蒸着紙 紙にアルミニウムを蒸着させたもの、光沢、ガスバリヤー性、電導性などにすぐれ、食品包装紙、放電記録紙などに用いる |
アルミニウム | 元素の一つ、銀白色で軽く、柔らかい金属 基 |
アルミニウム蒸着 | 材に真空下でアルミニウムを蒸着させること |
アルミ箔 | アルミニウム地金を7〜100ミクロンの箔にしたもの、加工、食品包材、電気通信用、断熱材などに多く用いられている |
アンカーコート | 接着性をあげるために薬品を基材にコートすること、塗工工程において上塗剤との接着性を上げるために行う前処理をいう場合もある |
アンカーコート剤 | 接着増強剤、アンカーコート用薬品 |
アンダーコート | 下塗り、前塗工、塗工時に基材の影響を少なくして、塗工面を向上させるためのコートをいう、アンカーコートと同義に用いることもある |
【い】 | |
一時接着型粘着ラベル | 再剥離粘着ラベル |
一般紙 | 広範囲な用途をもつ汎用の上質紙、クラフト紙、コート紙などを指す |
色上質 | 白色の上質紙と同じ原料を、染料で着色して抄造した着色上質紙 |
インキジェット | インキを細いノズルに導き、これに強電界を与えてインキを高速度のインキビームとして文字、図形などを印字させる方法 印刷紙、フイルム、布、金属などにインキで文字、図形などを記録する方法の一つ、版の方式により凸版(凸版、フレキソ)、平版(オフセット)、凹版(グラビア)、孔版(シルクスクリーンほか)などがあり、印刷方式により平圧式、円圧式、輪転式などがある |
印刷適正 | 良好な印刷ができるための紙の適正、インキの受理性、不透明度、均一性、表面強度、圧縮性、平滑性などに関連している |
【う】 | |
打ち抜きダイカット | 1:シート状またはフイルム状の材料に穴あるいは特定の型を打ち抜くこと 2:シール、ラベルの製造工程では、粘着紙の表面基材と粘着剤のみを打ち抜くことをいう、ハーフカット |
裏移り | 印刷時や塗工時に生ずるトラブルの一つ、基材を重ねたり、巻取りすることによって、基材の裏面と表面が接触し、基材表面のインキやコーテイング剤の一部(または成分の一部)が、裏面に転移する現象をいう |
裏スリット | 粘着紙で表面基材をはがし易くするために裏面(剥離紙)にスリットを入れること |
【え】 | |
永久接着型粘着剤 | 一度接着させたら、はがす必要のない用途に使用する粘着剤 |
エッチング | 腐食させること、版材を薬品で腐食させて凹みをつくったり、製版で不要部分を薬品で溶解することをいう |
エボキシ接着剤 | 金属、ガラスなどの接着に、硬化温度範囲も広く、すぐれた接着剤として、広い用途に用いられている |
エンボス | 柄を彫刻した金型を基材表面に押しつけて、基材に模様をつけること エンボス塗工紙 片面と両面エンボスがあり、高級印刷用に使用 |
【お】 | |
凹版印刷 | 画像部が凹となっていて、そこにインキを盛り、紙などに移して印刷する方法、グラビア印刷が代表的なもの |
オーバー・ラミ | 印刷物などの表面保護、耐水性、耐光性の向上、変色防止、光沢の向上などのために印刷物上に薄いプラスチックフイルム(OPP、PETなど)を貼付けること |
オフセット | 1:印刷、塗工において一旦中間ロールに、インキ、塗料などを移してから、基材にのせる方法 2:基材にのせられたインク、塗料などが、基材を重ねたり、重ねて圧力をかけることなどによって別の面に移ってしまうこと オフセット印刷 平板印刷の一種、平らな板の画像部につけたインキを直接紙に移さず、一度ゴム・ブランケットに移し、それから紙・フイルムなどの基材に移す方式、枚葉式と輪転式がある |
【か】 | |
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カード | 板紙の一種、アイボリーにつぐ高級板紙で、表・裏層にさらし化学パルプを用い、中層にGPあるいは脱墨古紙パルプを用いて抄合させ作る、非塗工品と塗工品がある、雑誌表紙、医薬品、食料品の個装に主として用いる、塗工品で160g/m2程度 |
カール | そり、紙、フイルム、加工紙などのシート状物質が、水分、温度、貼り合わせ基材の張力差などいろいろな原因が生じる「そり」「湾曲」、般に吸湿カール、脱湿カール、巻きぐせカールが多く見られる |
感圧紙 | 1:感圧複写機 広義には筆記の圧力で複写する紙で裏カーボン紙、ノーカーボン紙をいう、狭義にはノーカーボン紙をさす 2:感圧粘着紙 圧力を加えるだけで接着する加工紙 |
感圧性 | 常温で短時間に、圧力を加えるだけで接着する性質 |
感圧粘着剤 | 感圧性をもった粘着剤、アクリル系粘着剤が主に用いられている |
感圧粘着紙 | 圧を加えることによって接着する粘着剤を塗布した粘着紙の総称、いわゆる粘着剤と呼ばれているもの |
環境試験 | 製品の保存性、耐候性、耐熱・耐寒性など、環境支配に対する性質をしらべる試験の総称 |
感熱接着剤 | 熱により接着機能を生ずる接着剤、ホットメルト接着剤は感熱接着剤の一種である |
顔料 | 1:水や油に不溶または難溶の粉末状着色料、印刷インキ、塗料などに多く用いられる、水や油に溶解するものは染料という 2:コーテンイング用塗料に用いる水に不溶または難溶の粉末状無機物質 |
【き】 | |
キャストコート | キャストコート紙をつくるためのコーテイング法、基材に塗料を塗工し、加熱したキャストドラムに直接押しつけて乾燥する直接法の他、凝固法(塗料を塗工後、凝固浴を通して塗膜をゲル化してからキャストドラムに圧着する)、再湿潤法(塗膜を乾燥後、湿潤剤に浸漬してキャストドラムに圧着する)、ブレキャスト法(加熱したキャストドラムで塗料を乾燥してから原紙に接着して、キャストドラムからはくりする)などがある |
キャストコート紙 | コート紙の一種で、強光沢、高平滑の最高級印刷用紙、塗料はカリオンなどの顔料と接着剤からなり、通常15〜30g/m2片面塗工されている |
【く】 | |
クラフト紙 | クラフトパルプを原料とした紙、褐色であるが、強度が高い |
クレープ紙 | チリメン状のしわをつけた紙の総称 |
グラシン紙 | 化学パルプを細かく叩解して抄紙し、スーパー・カレンダー掛けした紙、緊度高く平滑で、透明度が高い |
グラアビアインキ | グラビア印刷用のインキ、低粘度で乾燥が早い |
グラビア印刷 | 凹版の一つ、画像部のみ彫刻したロールインキをつけ、紙にうつす印刷方法、枚葉グラビア、輪転グラビアがある、凹版印刷 グラビア・オフセット印刷 グラビア印刷とオフセット印刷の原理を組合わせた印刷またはコーテイング方式、グラビア版から直接基材に転写せずに、中間にゴム胴(またはブランケット)をおき、それに転写してから印刷あるいはコーテイングする方法、オフセット・グラビアともいう |
グラビア・ロール | 表面に細かい格子状などの凹凸を彫刻してつけたロール、グラビア印刷、グラビア・ロール・コーターなどに用いる、通常、線数で20〜200本/吋、深さ0.02〜03? |
グラビア・ロール・コーター | コーターにおいて塗工液を汲み上げるロールにグラビア・ロールを使用したコーター、特に有機溶剤塗工液の薄塗り用に用いる |
グロス | 光沢、紙加工では特に印刷機またはコーテイング後の表面光沢をいう |
【け】 | |
蛍光 | 光の刺激によって生ずる発光 蛍光インキ 蛍光性染料を合成樹脂に溶かして顔料としたインキ |
ケミカル・マットフイルム | ポリエステルフイルムの表面にマットコートしたフイルム |
見当 | 印刷において、図柄などの位置あるいは位置ぎめをいう |
見当不良 | 印刷において、印刷デザイン・図柄の不正確な位置に印刷されることをいう、印刷時のトラブルの一つ |
【こ】 | |
硬化剤 | 熱硬化性樹脂、接着剤などに加えて硬化を促進するための薬剤 硬質塩化ビニル 可塑剤を全く含有していないが、少量しか含有していない塩化ビニル、機械的性質がもろく、耐熱性が低いが、薬品に安定で、パイプ、雨どい、シート、パネルなどに広く用いられる |
コート紙 | 塗工紙(コーテッド紙)のうち塗工量が片面で10g/?程度のグレードの総称 |
合成紙 | 合成高分子材料を原料とする紙状シートの総称、(発砲)プラスチックフイルム、表面加工したプラスチックフイルム、などがある |
ゴム | 1:ゴム植物から得られる弾性に富んだ天然物質、生ゴムともいう 2:一般的にはゴム状弾性を示す物質を天然、合成の区別なくゴムと通称している ゴム系粘着剤 天然ゴム、合成ゴム(SBRなど)を主成分とした粘着剤、被着体を選ばす、優れた性質をもつが、熱、日光などにより、劣化しやすい傾向がある |
【さ】 | |
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再剥離粘着紙 | 再剥離粘着剤を塗工した粘着ラベル、一定期間被着体に貼り、その後剥がす用途に使用 |
サーマル | 感熱記録または感熱記録紙の通称 マーサル紙 感熱記録紙 サンドマットフイルム 通常ポリエステルをベースとし、表面を物理的にマット化したもの |
【し】 | |
紙管 | 1:紙、加工紙、フイルムなどを巻付ける軸となる管で和製のもの、紙コアともいう、フラスチック製のものもあり、紙管と呼ぶこともある
2:一般的には紙製の管状のものの総称 紫外線 波長が可視光線より短く、X線より長い光をさす、一般に100nmから380nm位の波長のもの、殺菌力、化学作用がつよい、UV 紫外線硬化インキ UVインキ、紫外線により硬化するインキ シークレットはがき 二つ折りの間に擬似接着層を持って接着させたはがき、開封すると、二度と接着せず開封したことが判ってしまう、秘密通信(封書と同様な効果がはがきで得られる)、ダイレクトメール(通常はがきの倍の情報量がある)などに用いる |
紙粉 | 抄紙中あるいは、紙のスリット・巻き返し・加工などの工程中に、紙から遊離した繊維あるいは紙の微細片をいう、印刷時、加工時、最終用途において不具合の原因となる |
シリコーン粘着剤 | ゴム状シリコーン樹脂と、樹脂状シリコーンから成る粘着剤、電気特性、耐水性、耐候性にすぐれて、テフロン、シリコーンゴムとの接着性もよく、従来の粘着剤にない特長をもつが高価である、電気絶縁用テープ、マスキングテープ、シリコーンゴム接着用、シリコーン製品接着用などに用いる |
シール印刷機 | 粘着ラベルの印刷、打抜き、カス取り、ラミネート加工などを同時あるいは連続して行なう印刷機、平圧、輪転等がある |
シルク・スクリーン | 孔版印刷の一種、シルクに画線部のあいた薄紙(ステンシル)を当て、上からインキをかけ、シルクを通して印刷する方法 |
樹脂 | 本来は植物などから得られるヤニといわれる固形物のことをいったが、後に、これらの天然樹脂とともに、合成してつくられるようになり、転じて、合成高分子を合成樹脂というようになった、これら天然樹脂、合成樹脂を総称したもの |
上質紙 | さらし化学パルプのみでつくった紙、印刷、加工原紙など多くの用途にもちいられる |
蒸着紙 | 真空蒸着機で金属を蒸着した紙、フイルムの場合は蒸着フイルムという |
【す】 | |
水溶紙 | 水中に入れると分散・溶解する紙 水溶性粘着剤 水によって膨潤もしくは溶解してしまう粘着剤、スプライシング・テープ(紙継用テープ)などに用いられる スプロケット フォーム用紙をコンピューターのプリンターにセットするために、紙の両端の送り孔に食い込む凸状の爪 |
寸法安定性 | 紙、フイルム、加工紙などが、湿度、水分、温度などの変化に対して寸法変化がおこりにくい性質をいう、特に紙が湿度の影響をうける場合の寸法変化のおこりにくさをいう場合が多い |
【せ】 | |
静電気 | 電気のように動的なものではなく、電荷の分布が時間的に変化しないか、変化しても電流による発熱(ジュール熱)や磁気作用が極めて小さいような電気現象をいう、摩擦などで生じる |
赤外線 | 電磁波の一種、波長が780nmから2100nm位までをいう、熱、温度、暖かさなどに関わる領域 |
接着力 | 接着強度のことを一般にさす、JIS(Z-0218)では180 ゚はくり強度であらわす |
セルフラベル | 水も糊も使わずに、そのまま貼れるラベル、粘着ラベル 線数 印刷製版の時、ネガまたはポジフイルムにスクリーンをかけてアミ点を作るが、このスクリーンの1インチ当りの線の数をいう、線数の多いほど網点は細かく精密な印刷物が得られる |
染料 | 水または溶剤に溶ける有色の有機化合物、紙、布などの染色に用い、いろいろな種類のものがある、不溶性の着色材は顔料という 絶縁体 電気または熱を通さない不導体のこと |
全抜き | 紙器、粘着紙などの打抜き加工において、厚さ方向に基材全部を打抜くこと、ハーフカット(厚さ方向の一部分を打抜くこと)に対する言葉 |
【そ】 | |
層間強度 | 層間はくりの程度をあらわしたもの、紙層が層間ではくりする迄の抵抗値で表す |
層間はくり | 1:紙、板紙あるいは積層された物体が、厚さ方向の層の間ではがれること、層割れともいう 2:層間の強さをいうこともある |
【た】 | |
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耐光性 | 物質に太陽光線(特に紫外線)があてられた時の物性の低下に対する抵抗性、特に物質の色の変化をさす場合が多い |
耐候性 | 物質の屋外での使用時にうける光、熱、雨、塩分などによる物理的、化学的劣化に対する抵抗性 |
耐熱性フイルム | 耐熱性にすぐれたフイルム、ポリイミドフイルム(デュポン社の★フイルムまたはカプトン)、ポリアミド・イミド、ポリエステルイミドなどがある |
タック | 粘着性(ベタツキ)のことで、極めて軽い力で瞬間的に接着する力、種々の評価法がある、ボールタックなど |
タック紙 | 粘着紙 |
【て】 | |
転写マークシート | 印刷インキ部分のみを対象物に転写させる、りけい性をもった一種の粘着シート、転写は熱転写が多い |
【と】 | |
凸版印刷 | 印刷方式の一つ、版面に画像部が突起しており、その部分についたインキが、版を紙に転移する印刷方法、いわゆる活版印刷が代表的なもので、平圧式、円圧式、輪転式などがある |
塗布量 | 被着体の単位面積当りに塗布された塗工剤量、固形分表示と、水分を含めた総量表示とがあり、一般に?当りのグラム数であらわすことが多い |
【な】 | |
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ナイロン | 1:デュ・ポン社のポリアミド系樹脂の総称、いろいろなものがあり、繊維、フイルム、成形材料などに広く用いられる
2:通称としてはポリアミド系樹脂の総称として用いられている |
【に】 | |
二液型(粘着剤) | 二種類の粘着剤(主粘着剤と硬化剤)を使用直前に混合することによって反応させ、物性の向上させた型式の粘着剤、一液型に対する用語であるが、粘着剤以外にも反応形式の用語として一液型、二液型として用いることがある |
【ね】 | |
熱圧転写 | ホットスタンピングのように、絵、文字などの特殊印刷フイルムをプラスチックなどの製品に接触させながら、熱を加え、加圧して印刷物を転写させる方法 |
熱硬化性 | 常温または加熱した状態で、流動性をもつが、更に加熱すると化学変化により硬化し、元に戻らないような性質 |
粘着 | ごく弱い圧力で瞬間的に接着でき、またこれを接着面を汚染することなしにはがすことができる一時的接着をいう、粘着剤は固化することがない、しかし実際は長時間を経過することによって接着と同じくはがすことが不可能となる場合もありこれを永久粘着(つまり接着)といっている |
粘着原紙 | 粘着ラベル、粘着シールなどの最終製品として印刷・加工される前の粘着紙 |
粘着剤 | 二つの物質を粘着させる粘着力をもった薬剤、特性として、粘着力、保持力、粘着性であらわされ、組成、機能、用途に応じ各種のものがある、組成:アクリル系、ゴム系、シリコーン系など 形態:溶剤系、水(エマルジョン)系、無溶剤系、ホットメルト系など 機能:再はくり用、際貼(さいてん)用、永久接着用(強粘、粗面用、耐熱用、冷凍用)など 用途:食品、化粧品、車輌、鉄鋼、医療、広告、光学、電気、電子機器、衣料、文具など |
粘着紙 | はくり処理をした基材に、粘着剤を塗布した表面基材を貼り合わせたもので、表面材(上紙)をはくりして、被着体に貼りつけて用いる、きわめて広い用途に用いられている、表面基材で分類すると、紙、フイルム、その他(合成紙、箔)など、感圧粘着紙 粘着性 粘着剤などのタック力(ベタツキ)の程度、評価法としてボールタック法がもっとも一般的である |
粘着力 | 粘着紙、粘着テープが被着体に貼りついている強さ、貼りつけたものを180 ゚の方向に引きはがした時の抵抗を測定する |
粘度 | 流体の流動に対する抵抗、粘性、粘性係数、粘性率ともいう |
【の】 | |
糊残り | 粘着紙、粘着テープをはがした時に被着体表面に粘着剤が残ること |
【は】 | |
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箔 | 金属をうすく平らに叩き伸ばして、フイルムのようにしたもの |
白色度 | 物質の白さの度合をしめすもの、パルプ、紙ではハンター白色度計や、測色計、分光光度計などではかる |
剥離(はくり) | 1:一般的には、二つの接触または接着している物体をはがすこと 2:粘着紙などの、はくり紙をはがすことを特にさす |
はくり強度 | はくり力、二つの物質(特に粘着性のある物質)を接触させたあと、はがす時の抵抗 はくり剤 基材にはくり性を与えるための薬品、シリコーン系と非シリコーン系があり、シリコーン樹脂が代表的である、りけい(離型)剤 |
はくり紙 | 紙、プラスチック、フイルムなどを基材とし、シリコーン樹脂などの各種のはくり性能をもつはくり処理剤を片面または両面に塗工したもの、フイルムを基材にした場合は、特にはくりフイルムともいう |
はくり性 | はくり強度と同意に用いられることが多い、粘着性のある物質と接触させた後に、粘着性物質を残さずにはがし得る能力 |
撥水剤 | 段ポール、ショッピング・バック用の紙などに耐水性、撥水性(水をはじく性質)をもたせるための薬品、ワックス、脂肪酸誘導体、合成樹脂、クロム酸塩などが用いられている |
発砲体 | プラスチックなどで固定した気泡群をもつ(あるいは、固定した気泡状構造をもつ)物質ハーフカット 粘着製品の加工において、ラベルなど印刷された表面基材のみ(すなわちはくり紙を残して)を打抜くこと、全抜きに対する用語 |
反射 | 光、電波などの波動が、他の物質面に当って進路をかえること |
ハンド・ラベラー | デパート。スーパー、小売店などで雑貨、食品の価格ラベルを貼付けるハンディ・タイプ(手持ち)のラベル刻印、貼付け器 ハンド・ラベル ハンドラベラーで使用されるラベルまたはラベル用粘着紙の略称、更に省略してハンドということもある |
【ひ】 | |
ひずみ(歪) | 材料が外力をうけて変形したとき、単位長さ当りの変形量を歪みという、歪には、引張り歪、圧縮歪、せん断歪がある |
被着体 | 粘着テープ、粘着ラベルなどを貼付ける対象物をいう |
ヒート・シール | 熱接合、プラスチックフイルム、樹脂コーテイング紙、ラミネート紙などを熱により接着させること、および方法 |
表面基材 | 粘着紙の表面にあって、印刷、書込みなどされてから貼付けされる基材、紙、フイルム、合成紙などが用いられる、上紙 |
表面スリット | 粘着ラベルなどの表面基材をはがし易くするために、はくり紙に傷をつけないで、表面基材にのみスリットを入れること |
ピンホール | 物体にあるごく小さな穴 |
ビジネス・フォーム | 事務用帳票(特にコンピューター用)など一定の型式をもった事務用印刷物の総称、およびこれに使用するビジネス・フォーム用紙の略称 ビク ビクトリアブレス(打抜機)の通称 |
【ふ】 | |
フイルム | うすいシート状のもので、厚さが1/100インチ(0.254ミリ)以下のものをフイルム、これ以上のものをシートという |
フォーム印刷機 | コンピューター用の帳票類の印刷を主目的とした印刷機、一般に輪転式のものが多く、凸版、オフセットなどの各版式がある、印刷部の他に、加工部としてミシン目、パンチ、パーフォレーション(送り孔あり)、ジグザグ折(ファンホールド)などの加工が一台の機械の中で出来るようになっている |
不織布 | ナイロン、アセチルセルロース、ポリエステルなどの繊維の単繊維を適当な長さに切断し、均一に分散させて接着剤でつないだシート、製法には湿式法と乾式法とある |
フラットダイ | 押出しダイの一種、平面状にフイルムを押出すダイでTダイが代表的 |
フレキソ印刷 | 凸版印刷の一種、ゴム、樹脂などのフレシキブルな凸版を用い、版胴に直接とりつけて、インキを直接版から被印刷物へ転移させる |
フライマー | アンカー・コート剤、下引剤、基材と粘着剤などの塗工物質の両方に親和性のある薬品をあらかじめ基材に塗工し、両者を強固に結びつける役目をするもの、また、粘着剤などの基材へのしみ込みを押える役目もする |
プラスチック | 合成高分子樹脂およびその成形品の総称 |
プリズムシート | フイルム表面に虹模様が出るように加工したフイルムを使った粘着シート |
【へ】 | |
平圧機 | 凸版印刷機の一形式、印刷用の版が平面になっていて、インキをつけた後で、版の上に紙をのせ、圧盤で圧力をかけて印刷する、古い型式のものであるが小規模印刷に適している、通称ブラテンという |
平滑度 | 紙、フイルム、加工紙その他の材料の表面の平滑さ |
平版印刷 | 同じ平面上に画像部と非画像部をつくり、非画像部を水で浸し、画像部のみにインキをつけて印刷する方法、オフセット印刷が代表的なもので、もっとも一般的な印刷法である |
【ほ】 | |
ホイル | 箔、金属のうすいシート |
ホログラム | ホログラフィーを得るために像を記録した写真乾板の現像したもの |
ホログラム加工 | ホログラムのように見る角度によって図柄が浮かび上がるように、フイルムを特殊加工(エッチング)すること、カードの偽造防止や、宣伝用に用いられる |
ホログラフィー | レーザー光を用いレンズなどを使わずに、物体の立体像をつくる方法、レーザーで物体を照射し、その反射光を写真乾板に記録し、現像する、この写真乾板にレーザー光を当てると実物そのままの立体像(ホログラフィー)が得られる |
ポリエステル | 多価の有機酸と多価アルコール類の縮重合によって得られる熱硬化性樹脂の総称、有機酸、アルコールの種類によって、いろいろな樹脂が出来、用途も広い ポリエステル・フイルム ポリエステルのうち、テレフタル酸ポリエチレンのフイルムをいう、広い用途に用いられている、PETフイルム、帝人・テトロン、東レ・ルミラー、デュポン・マンラーなどの商品名がある |
ポリエチレン | PE、もっとも普通の熱可塑性合成樹脂の一つ、エチレンの重合物で、成形しやすく、原料価格も安く、用途が広い、重合法により、高圧法、中圧法、低圧法とある、高圧法ポリエチレン(高圧ポリエチレン)、低密度ポリエチレンともいう、比重0.91〜0.93、枝分かれのある直鎖状分子、軟化温度低く、フイルム、押出しラミネート用、中圧法ポリエチレン(中圧ポリエチレン)、中密度ポリエチレンともいう、比重0.93〜0.95、高圧法と低圧法の中間の性質をもつ、低圧法ポリエチレン(低圧ポリエチレン)、高密度ポリエチレンともいう、比重0.94〜0.97、直鎖状で枝分かれが少なく、軟化点が高い、成形、フイルム用、他に、超高分子量ポリエチレン(重合度100万以上)、直鎖低密度ポリエチレン(LLDPE)などもある |
ポリ塩化ビニル | PVC、熱可塑性樹脂の一つ、塩化ビニルの重合体、もっとも広く、多重に用いられており、染色容易で、電気絶縁性、耐薬品性にすぐれるが熱に弱い、可塑剤を加えて軟化させることも出来る、フイルム、シート、レザー、成形品、パイプなどに用いる |
ポリプロピレン | 熱可塑性樹脂の一つ、プロピレンの重合体、耐熱性、かたさ、耐油性、はくり性、防湿性などがPEよりすぐれている、繊維、包装用フイルム、容器、絶縁部品、はくり紙などに用いる、PP ポリマー 多重体、同じもの(すなわちモノマー)が多数集って一つの物質をつくったものをいう、例えばポリエチレンはエチレンのポリマーである |
【ま】 | |
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枚葉 | 印刷の場合に巻取りに対してシート状のものを指して用いる、例えば枚葉紙、枚葉印刷など |
巻きぐせカール | 紙・粘着紙・フイルムなどを巻いたまま長時間放置すると、巻取りをほぐしても巻いた形のカールが残ることがある、これを巻きぐせカールという |
巻ずれ | 粘着紙などの巻取りにおいて端が不揃いになること、ワインダーで巻取作業中あるいは、巻取製品の保管・輸送中に紙が滑るために起こる |
マーキング・フイルム | 着色塩ビの粘着フイルムで、塗料の替りに自動車、看板、標識、ディスプレイなどに用いるフイルムの総称、塩ビフイルムはキャスティング法、カレンダー法でつくられる |
マットコート | 表面をマット調に仕上げたコート紙、加工紙およびその加工方法をいう |
【み】 | |
ミクロン | μ、長さの単位、1/1000ミリメートル |
枚葉 | 印刷の場合に巻取りに対してシート状のものを指して用いる、例えば枚葉紙、枚葉印刷など |
【ゆ】 | |
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有機溶剤 | 溶剤のうち有機化合物からなるものをいう、ベンゼン、トルエン、ヘキサンなどが代表的なものであるが極めて数多い、一般に溶剤という場合、有機溶剤をさすことが多い |
【ら】 | |
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ラベリング・マシン | 食品・薬品・化粧品・日用品などに粘着ラベルを貼付ける機械、ローラー加圧方式とエアージェット方式がある、ラベラー |
ラミネーター | 貼含機、貼り合わせ機、紙・フイルムなどの基材を接着剤・粘着剤などで相互に貼り合わせたり、押出されたフイルムを貼り合わせたりする機械 |
【り】 | |
両面粘着テープ | 支持体の両面に粘着剤があり、両面で接着できる粘着テープ、粘着剤の代替として使用される例が増加している、基材は和紙、不織布、プラスチックフイルム、布、発砲体などがある、ポスターの貼付、電子部品、カーペットの固定用、銘板の貼付、その他一般の固定用など用途も広い< |
両面はくり紙 | 基材の両面にはくり処理をしてあるはくり紙、両面粘着テープのはくり紙に主として用いる |
輪転機 | 印刷機、打抜機などの一形式、巻取紙を連続的に印刷・打抜する方式で、輪転グラビア、オフセット輪転機、新聞印刷輪転機、ロータリー打抜機などに相当する |
ラベリング・マシン | 食品・薬品・化粧品・日用品などに粘着ラベルを貼付ける機械、ローラー加圧方式とエアージェット方式がある、ラベラー |
【れ】 | |
レザーカット | 紙・フイルムなどのスリット方法の一つ、レザーブレード(薄刃のかみそりの替刃)を用いてスリットすること |
劣化 | 物質が光、熱、酸素、放射線、応力、高電圧、化学薬品、微生物などの作用により、化学構造に変化をおこしたり、物理的性質が好ましくない方向に変わったりすること |
【ろ】 | |
老化 | 材料が時間の経過につれて次第に外観、物性、電気特性、化学的性質、光学的性質などのいろいろな性質が変化すること、劣化 |
老化試験後粘着力 | 粘着力試験法の一つ、粘着後、一定条件(65℃)で放置後の粘着力を測定する |
ロット | 等しい条件下で生産された、または生産されたと思われる製品などの集合体 |
【わ】 | |
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和紙 | 日本固有のコウゾの繊維を中心とし、長繊維のまま、ネリを入れて作った手すき紙、最近ではマニラ麻・木材パルプを原料として機械で抄いた機械抄き和紙が多く用いられている、半紙・障子紙などの他に、粘着テープ・マスキングテープなどの基材にも用いる。 |